足関節捻挫
このような症状はありませんか?
- 足をひねってから足首の外側(または内側)が痛い、腫れている
- 歩くときや体重をかけたときにズキズキ痛む
- 足首を動かすと痛みが走る
- くるぶしの周りに内出血ができている
- 痛くてつま先立ちやジャンプ、走ることができない
- つま先立ちがしにくい、または痛くてできない
- 過去に何度も足首を捻挫していて、グラグラする(不安定な)感じがある
- 「捻挫ぐせ」のせいで思い切りスポーツができない
これらの症状が続く場合は、偏平足(扁平足)の可能性があります。
足関節捻挫とは
スポーツや日常生活(段差を踏み外すなど)で足首を不自然な方向にひねった際、骨と骨を繋ぐ靱帯(じんたい)が引き伸ばされたり、部分的に断裂したりする疾患です。
最も多いのは、足首を内側にひねる「内返し捻挫」によって、外くるぶし周辺の靱帯(前距腓靭帯など)を損傷するケースです。
症状の特徴・進行
受傷直後から、ひねった部位を中心に痛みや腫れ、熱感、内出血が生じます。
重症度(1度:微細な損傷、2度:部分断裂、3度:完全断裂)によって痛みの強さや腫れの広がりは異なりますが、重度の場合は体重をかけることも困難になります。
「ただの捻挫だからそのうち治るだろう」と軽く見て放置すると、靱帯が緩んだまま治癒してしまい、「慢性足関節不安定症(いわゆる捻挫ぐせ)」に移行することがあります。
足首がグラグラした状態が続くと、スポーツのパフォーマンス低下や再受傷のリスクが高まるだけでなく、将来的に足首の軟骨がすり減る「変形性足関節症」を引き起こす原因にもなるため、初期段階での適切な処置とリハビリテーションが極めて重要です。
検査・診断方法
足関節捻挫の診断では、まず「いつ、どのような動作でひねったのか(受傷機転)」を詳しくお伺いします。
その後、腫れや内出血の範囲、押したときの痛み(圧痛点)、足首のグラつき度合いなどを丁寧に評価します。
当院ではレントゲン検査を行い、単なる捻挫ではなく、骨が欠ける「剥離骨折」などが合併していないかを必ず確認します。
さらに、靱帯の損傷程度(どの靭帯がどのくらい切れているか)を正確に把握するため、必要に応じてエコー(超音波)検査やMRI検査をご案内しています。
正確な診断に基づき、現在の状態や今後の治療・リハビリの計画について分かりやすくご説明いたします。
当院での治療方法
足関節捻挫の治療では、受傷直後の「患部の保護」から、復帰に向けた「機能回復(リハビリ)」まで、段階に応じたアプローチを行います。
初期対応(RICE処置)と装具・固定療法
受傷直後は安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)のRICE処置が基本となります。
痛みが強い場合や靱帯の損傷が大きい場合は、サポーターやテーピング、重症度によってはギプスや松葉杖を使用して患部を適切に固定・保護し、靱帯の修復を促します。
薬物療法
強い痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬(内服薬や湿布)を処方します。
初期の痛みをコントロールすることで、その後のリハビリテーションへスムーズに移行しやすくなります。
理学療法・リハビリテーション
当院では、足関節捻挫に対する理学療法・リハビリテーションを非常に重視しています。「痛みが取れたら治った」ではなく、「再発しないための機能を取り戻す」ことがゴールです。
痛みが落ち着いてきたら、理学療法士の指導のもと早期から適切なリハビリを開始します。
長期間の固定で硬くなった足首の可動域(動く範囲)を広げるストレッチから始まり、足首周りの筋力トレーニング、そして最も重要な「バランス感覚(固有受容覚)の再獲得」を目指したトレーニングを行います。
一人ひとりのお身体の状態や、復帰を目指すスポーツの特性に合わせた運動療法とセルフエクササイズを指導し、安全な競技復帰と再発予防を徹底的にサポートします。
日常生活での注意点(予防と対策)
足関節捻挫は、初期の過ごし方と復帰後の予防策が大切です。
- 受傷直後は無理に動かさない 痛みを我慢して歩き回ったり運動を続けたりすると、腫れや内出血が悪化し、靱帯の修復が遅れます。受傷後数日はなるべく安静を保ち、足を高くして休むことを心がけましょう。
- テーピングやサポーターの活用 スポーツへの復帰初期や、足場の悪い場所を歩く際などは、再受傷を防ぐためにサポーターやテーピングで足首を保護することが有効です。
- 足に合った適切な靴を選ぶ かかとが不安定な靴や、サイズが合わずに靴の中で足が滑ってしまうものは捻挫のリスクを高めます。用途に合った、しっかり足をホールドしてくれる靴を選びましょう。
- セルフエクササイズの継続 リハビリで指導された足首のトレーニングやバランス練習をご自宅でも継続し、「捻挫しにくい足首」を維持することが最大の再発予防になります。
よくある質問
捻挫は温めたほうがいいですか?冷やしたほうがいいですか?
受傷直後(急性期)で、熱を持って腫れている場合は「冷やす(アイシング)」のが基本です。数日経過して熱感や強い腫れが引き、慢性的な痛みや関節の硬さが残る時期になったら、逆に「温めて血流を良くする」ことで回復を促します。
歩けるのですが、病院に行かなくても大丈夫ですか?
歩けても、靱帯が部分断裂していたり、小さな骨折(剥離骨折)が隠れていたりすることが多々あります。自己判断で放置すると「捻挫ぐせ」になりやすいため、一度受診して正確な診断と適切な固定処置を受けることを強くおすすめします。
昔からの「捻挫ぐせ(グラグラ感)」は今からでも治りますか?
靱帯そのものの緩みは完全には戻らなくても、リハビリテーション(筋力強化やバランストレーニング)によって周囲の筋肉で足首の安定性を高めることで、不安定感や痛みの改善が十分に期待できます。サポーターやインソールの併用も効果的です。
どのくらいでスポーツに復帰できますか?
重症度によりますが、軽度であれば1〜2週間、中等度〜重度であれば数週間から数か月かかることもあります。痛みが取れただけの状態での早期復帰は再受傷の危険性が高いため、リハビリの進捗に合わせて、医師と理学療法士が安全な復帰時期をアドバイスします。
湿布を貼っておけば治りますか?
湿布は一時的に痛みや炎症を和らげる効果はありますが、切れた靱帯を修復したり、緩んだ関節を安定させたりする効果はありません。根本的な改善と再発予防には、適切な固定とリハビリテーションが不可欠です。
受診目安
以下のような症状がある場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 足首をひねった後、強い痛みや腫れ、熱感がある
- 痛くて体重をかけられない、まともに歩けない
- くるぶしの周りに大きな内出血がある
- 過去の捻挫から足首のグラグラ感や慢性的な痛みが続いている
初期の適切な処置が、その後の足首の機能を大きく左右します。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

