手の痛み
日常の中で「手の指がカクッと引っかかる」
「ペットボトルのフタを開けるときに親指の付け根が激痛」
「朝起きると手や指が痺れている」といったお悩みを抱えていませんか?
手や指は日常生活で最も使う部位のため、「使いすぎかな」「年のせいかな」と放置されがちですが、これらは整形外科や専門リハビリでの適切な対応が必要な疾患のサインです。代表的な原因として、以下の4つが挙げられます。
4つの原因
1.ばね指(弾発指)
指を曲げる腱と腱鞘に炎症が起き、指の動かしにくさや「カクン」と引っかかる現象(ばね現象)が起こります。
家事や仕事で手をよく使う方、更年期や妊娠・出産後の女性、糖尿病の方にも多くみられます。
2.ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
手首の親指側を通る腱と腱鞘が炎症を起こす腱鞘炎の一種です。
育児中のお母さんや更年期の女性、スマホ・PC作業、家事で親指を頻繁に使う方に多く見られます。
3. 母指CM関節症
親指の付け根(CM関節)の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかって炎症が起きる疾患です。
40代以降の女性に多く、瓶のフタを開ける、雑巾を絞る、ドアノブを回すなどの動作で強い痛みが生じます。
4.手根管症候群
手首にあるトンネル(手根管)で正中神経が圧迫され、親指から薬指にかけてのしびれや痛みが出ます。
中高年や妊娠・出産期の女性に多く、朝方にしびれが強くなるのが特徴です。
こうした手や指のトラブルは、我慢して使い続けることで徐々に悪化していくため、早期に原因を突き止めることが大切です。
治療法
当院では、痛みやしびれを和らげる根本的な改善と再発を防ぐ「専門リハビリテーション」治療を行います。
1.疼痛を早期に抑える治療(保存療法・注射療法)
装具療法(スプリント・サポーター):痛みがある時期は、装具で手首や指の動きを適切に制限し、負担を減らして炎症を鎮めます。
薬物療法・注射療法:痛み止めやビタミンB12(神経の修復を促すお薬)の内服、必要に応じて腱鞘内や関節内への注射を行い、強い痛みや炎症をブロックします。
2.根本改善と再発予防の専門リハビリテーション
痛みのピークが落ち着いた後は、理学療法士・柔道整復師がマンツーマンでサポートします。
ストレッチ・筋バランス調整:手首や指周囲の硬くなった筋肉や腱の柔軟性を高め、スムーズな動きを取り戻します。
関節の負担を減らす動作指導:手のひら全体や道具を使った身体の使い方、PC・スマホ操作時の姿勢指導を行い、手首や親指への局所的な負担を逃がします。
専門医療機関との連携: 保存療法での改善が難しい場合や重度な筋萎縮が見られる場合は、連携する高度医療機関での手術検討をご案内します。
日常生活で起こる予後
「そのうち治るだろう」と痛みやしびれを我慢したまま手を使い続けると、取り返しのつかない機能障害や重症化につながる恐れがあります。
手先の麻痺や筋萎縮が定着し、細かい作業ができなくなったり、手根管症候群やばね指を放置すると、神経ダメージや筋肉の衰え(親指の付け根が痩せる等)が進行します。「服のボタンが留められない」「箸がうまく使えない」「物を落とす」「OKサインが作れない」といった麻痺状態が残り、元に戻りにくくなる危険性があります。
また、
親指や指の変形が進み、日常の基本動作が困難になる
母指CM関節症などを放置すると、軟骨の減りが進行して親指の付け根が亜脱臼し、「Z字」のように変形してしまうことがあります。そうなると、ペットボトルのフタを開ける、ドアノブを回す、鍵を開けるなど、日常生活のあらゆる動作で激痛が走るようになったり、自力で指が伸びなくなり、手術が必要になるリスクが高まります。
重症化したばね指やドケルバン病では、指が曲がったまま自力で伸びなくなったり、痛みが慢性化して強い制限がかかります。最終的に保存療法では治らなくなり、腱鞘を切開する手術を受けざるを得なくなる可能性を少しでも避けるために、手についてお悩み事がありましたら、お気軽にご相談ください。

