膝の痛み
膝は体重を支え、歩く・走る・跳ぶといったあらゆる動作の要となる関節です。
- スポーツ中にお皿の下が痛い
- 膝が引っかかって伸びない
- 歩き始めに痛む
- 膝が抜けるような不安感がある
など、
年齢や活動量によって現れる症状や原因は様々です。
我慢して運動や日常動作を続けてしまうと悪化・慢性化しやすいため、早めの原因特定と適切なケアが大切です。代表的な原因として、以下の5つが挙げられます。
オスグッド・シュラッター病(成長期の膝の痛み)
成長期の小・中学生に多く見られるスポーツ障害です。
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が成長途中の柔らかいスネの骨(脛骨粗面)を引っ張ることで炎症や小さな損傷が起き、お皿の下の痛みや腫れ、骨の突出が生じます。
膝半月板損傷(クッションの傷・引っかかり)
膝の中にあるクッション(半月板)が傷つく疾患です。
スポーツでの強烈なひねりや加齢による脆化が原因となります。
膝の曲げ伸ばしでの引っかかり感や「コキッ」という音、膝に水が溜まる、膝が突然固まって動かなくなる「ロッキング現象」が特徴です。
変形性膝関節症(加齢・すり減りによる痛み)
膝の関節軟骨がすり減り、炎症や骨の変形が生じる疾患です。
立ち上がりや歩き始めなど「動作の開始時」に痛むのが初期の特徴で、進行するとO脚が目立ち、階段の昇り降りやしゃがみ込みが困難になります。
膝十字靭帯損傷(関節の不安定感・膝崩れ)
スポーツや事故の大きな衝撃により、膝の前後・ねじれを抑える十字靭帯(前十字・後十字)が損傷・断裂する外傷です。
受傷直後の強い腫れや激痛に加え、歩行時や急な方向転換時に膝がガクッと抜ける「膝崩れ」が生じます。
鵞足炎(がそくえん・膝の内側の痛み)
膝の内側やや下にある「鵞足(3つの筋肉の腱が集まる場所)」や滑液包が、ランニングやジャンプなどの繰り返し動作で擦れ合い、炎症を起こす疾患です。
運動時や運動後の膝の内側の痛み・圧痛、階段の昇降での痛みが特徴です。
治療法
当院では、痛みや炎症を抑える「保存療法」と、身体の使い方を根本から見直す「専門リハビリテーション」を患者様一人ひとりの状態に合わせて組み合わせて行います。
消炎鎮痛と局所の負荷軽減(保存療法・注射・装具療法)
- 【薬物療法・注射療法】
消炎鎮痛薬(内服・湿布)の処方のほか、強い痛みや炎症、関節の水(関節液)に対しては関節内・患部への注射を行い、苦痛を早期に和らげます。 - 【装具・インソール作成】
関節のぐらつきを抑える膝装具やスプリント、足のアーチや荷重バランスを整えるオーダーメイドインソール(足底板)を作成し、日常生活やスポーツ時の負担を軽減します。 - 【運動量の調整指導】
炎症期には無理な運動を控えさせ、患部を休ませる適切なレスティング指導を行います。
根本改善と再発予防の専門リハビリテーション
理学療法士・柔道整復師がマンツーマンで身体の評価と指導を行います。
- 【柔軟性向上と筋力強化】
太もも(大腿四頭筋・ハムストリングス)、股関節、お尻、ふくらはぎのストレッチや筋力トレーニングを行い、膝にかかる負担を筋肉で吸収できるようにします。 - 【動作解析とフォーム修正】
歩行の癖、ランニングフォーム、ジャンプの着地動作などを評価し、「膝が内側に入る(ニーイン)」などの負担がかかる身体の使い方を根本から修正します。 - 【段階的な復帰サポートと高度医療連携】
スポーツ復帰に向けた段階的プログラムの指導や、靱帯断裂・重度半月板損傷など手術検討が必要なケースには提携高度医療機関へのスムーズなご紹介を行います。
日常生活で起こる予後
「ただの成長痛」「日にち薬で治るだろう」と痛みを放置して膝を使い続けると、将来的な膝の変形やパフォーマンス低下など、長期的な障害を残す恐れがあります。
膝が完全に固まる「ロッキング」や急激な歩行困難(半月板損傷・十字靭帯損傷)
半月板の断片が関節に挟まるロッキングを起こすと、激痛で膝が伸びなくなり自力歩行が困難になります。また、十字靭帯損傷による「膝崩れ」を繰り返すと、二次的に半月板や関節軟骨をさらに傷つけ、20〜30代の若さであっても変形性膝関節症へ進行するリスクが高まります。
関節の変形が進行し、日常生活の基本動作が制限される(変形性膝関節症)
すり減った軟骨は自然には戻りません。放置すると骨の変形が進んでO脚が顕著になり、自力で深くしゃがむ、階段を昇り降りする、長距離を歩くといった当たり前の日常動作ができなくなり、最終的に人工関節置換術などの手術を検討せざるを得なくなります。
慢性的な痛みと骨の突出・他部位への不調連鎖(オスグッド・鵞足炎)
オスグッド・シュラッター病を我慢して運動を続けると、スネの骨の出っ張りが大きく残ったり、痛みが慢性化して長期間スポーツができなくなります。また、膝の痛みをかばう歩き方が定着することで、股関節・腰・反対側の足などにも二次的な障害が広がる危険があります。
「膝のお皿の下の出っ張り」「急な引っかかり」「階段での激痛」「膝が抜ける感覚」は見逃してはいけないサインです。
早期に適切な治療とリハビリテーションを行うことで、痛みの早期改善だけでなく、将来にわたってスポーツや日常生活を全力で楽しめる健康な膝を守ることができます。
違和感を覚えたら、我慢せずお気軽に当院へご相談ください。

